糖尿病の食事療法では、接種カロリーの制限や栄養バランスが重視されがちですが、最近の研究や調査で、それだけでは不十分なことがわかってきました。血糖値を急激に高めないためにも、食べ物の種類とともに食べる順番やかむ回数なども大切です。
糖尿病の食事療法では、身長や体重、血糖値の状態などから1日当たりに接種できるカロリー量を決めます。その中で、栄養士の指導を受けながら献立を立てていくのですが、これが毎日となると大変です。最初は目安になかった食事ができていても、次第に億劫になり継続できず、再び血糖値が上昇して診察を受けに来る患者様もいます。
そこで、最近では、食べる順番やかむ回数が注目されています。
【 効果的な食べる順番 】
1.野菜やきのこ、海藻などのおかずを5分ほどで食べ切る。
2.肉や魚、大豆などタンパク質のおかずを食べる。
3.最後にご飯やパン、麺類などの炭水化物をとる。
カロリー量が同じでも、炭水化物を先に食べる場合と、野菜を先に食べる場合とでは、血糖値の上昇が抑えられ、インスリンの分泌量が少なくなります。これは、野菜に含まれる食物繊維が、炭水化物の分解を緩やかにし、小腸からの糖の吸収を遅らせているせいだと考えれています。
また、カロリー制限の食事療法に比べて継続しやすいため、血糖値の改善効果が期待できます。
【かむ回数】
よくかんで食べると、食事時間が伸び、食事量が減ります。早く満腹感が得られ、糖の総摂取量が減り、インスリンの分泌量を抑えるのにつながります。
■よくかんで食べるために
・一口30階ずつかんで食べる。(左右で10回ずつ、両方で10回かむ)
・一口入れたら30秒間かむ。
・食べ物の形が無くなるまでかむ。
・食べ物が入っている間は水(お茶など)を飲まない。
・先の食べ物を飲み込んでから、次の物を食べる。
・一口に入れる量を少なくする。
今後は、カロリーや栄養バランスに着目した食事療法だけでなく、「食べる順番」や「かむ回数」などの「食べ方」も視野に入れた食事療法が注目され、重要性を増してきています。
糖尿病でお困りの方は、食事療法の相談にも乗っていますので、お気軽にご相談ください。
※2011年11月27日(日)日本経済新聞参照