ロタウィルス予防ワクチン接種を行っております。

投稿日:2012年4月26日|カテゴリ:お知らせ

当院では、ロタウィルスワクチン胃腸炎予防ワクチンの接種を行っております。

<ロタウイルス胃腸炎とは>
ロタウイルス胃腸炎は、突然の激しいおう吐と米のとぎ汁のような水様性の下痢を繰り返すのが特徴で、赤ちゃんに重症な胃腸炎を引き起こすだけでなく、脳炎や脳症になると後遺症が残ることもあります。ごくわずかな数のウイルス粒子で胃腸炎を発症するといわれているほど感染力が強いため、衛生状態に気をつけても予防が難しいウィルスです。

<ロタウイルス胃腸炎の診断とケア>
ロタウイルス胃腸炎には、原因ウイルスに対する治療薬がありませんので、症状に対する対処をします。
まず、吐き気がおさまったら、「こまめに」「少しずつ」水分を補給して、脱水を予防します。水分補給には、ミルクよりも湯冷ましか母乳、電解質を含むイオン水が適しています。赤ちゃん用のイオン飲料(補水液)を使用することもできます。
しかし、繰り返し起きるおう吐・下痢のため、水分補給がままならず、急激に症状が悪化してしまうことも、少なくありません。

  • おしっこの回数・量が少ない
  • 水分がとれない
  • 唇や肌が乾燥している
  • 顔色が悪い
  • ぐったりしている

など、脱水のサインが現れたら、早めに小児科を受診しましょう。また、下痢でおしりがかぶれないように、その都度ぬるま湯で拭いて、清潔を保つことも大切です。

<ロタウイルス予防ワクチンとは>
ロタウィルス予防ワクチンは世界120か国以上ですでに認可され、入院を必要とするような重症なロタウイルス胃腸炎は大多数を防ぐことができると考えられています。他のワクチンと同様、接種後に何らかの副反応がまれにあらわれる場合や、体質や体調によっては接種できない場合もありますが、ワクチンを受けないでその病気にかかる確率の方がはるかに高いことから、WHO(世界保健機関)では、ワクチンによるロタウイルス胃腸炎の予防を奨励しています。すでに海外で多くの赤ちゃんが接種してその効果と安全性が確かめられたため、日本でも2011年11月より接種可能となりました。

ロタウイルス胃腸炎予防ワクチンは、ロタウイルスの病原性を弱めてつくられた経口生ワクチンで、甘いシロップ状に仕上げてあります。ワクチンは、チューブ式の小さな容器に1回分が入っていますので、それを赤ちゃんに飲ませて接種します。ワクチンを接種すると、赤ちゃんのおなかの中でロタウイルスに対する免疫がつくられます。そのため、ロタウイルスに感染しても胃腸炎を発症しない、または発症しても点滴や入院が必要になるほどの重症化をほとんど抑えられることが国内外の臨床試験などで確かめられています。

また、胃腸炎を起こすロタウイルスには年や地域で流行がありますが、免疫がつくと、流行のタイプに関係なく赤ちゃんがロタウイルスから守られることも確かめられています。

初回接種時期の目安:生後6~24週まで(2回)